- Q.臓器移植ってなに?
- Q.移植されるのはどんな臓器?
- Q.臓器移植でどこまで健康な状態に戻るの?
- Q.ドナーが現れた場合、どのようにしてレシピエントが選ばれるのですか?
- Q.「HLA」とは何ですか?
- Q.臓器提供側にお金はかかるの?
- Q.臓器を提供したら報酬はもらえるの?
- Q.臓器提供を受けた場合、提供者にお礼やお返しをすることはできますか?
- Q.臓器提供後のドナーの体はどうなるの?
- Q.ドナー側が臓器の提供先を選ぶことはできるの?
- Q.どんな人が脳死になるの?
- Q.法に規定された脳死判定が行えないことはありますか?
- Q.脳死判定後に家族の気持ちが変わり、臓器提供したくなくなった場合は?
- Q.脳死を人の死としていない国はどのくらいあるのでしょうか?
- Q.海外と日本で行われる移植医療に違いはあるの?
- Q.移植医療についてもっと詳しく知りたいのですが、教えてくれる人はいますか?
- Q.どんな人が臓器提供者になるの?
- Q.なぜ、臓器提供についての意思表示は大切なの?
- Q.意思表示は誰にでもできますか?
- Q.意思表示に費用はかかるの?
- Q.意思を表示する際に、検査や届け出は必要ですか?
- Q.歳をとっても臓器提供はできますか?
- Q.一度意思表示(登録)した後、その内容を変えたり、意思を取り下げたりすることはできるの?
- Q.登録するとき、家族に知らせたほうがいいの?
- Q.登録するとき家族から反対されたけど、それでも意思表示カードを持ったり、意思登録をしてもいいの?
- Q.臓器移植ってなに?
-
病気や事故によって臓器(心臓や肝臓など)が機能しなくなった場合に、人の健康な臓器を移植して機能を回復させる医療です。
- Q.移植されるのはどんな臓器?
- 脳死後では、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、眼球の提供ができ、心停止後では、腎臓、膵臓、眼球が提供できます。
- Q.臓器移植でどこまで健康な状態に戻るの?
-
個人差がありますが、移植後は免疫抑制剤などを服用し、拒絶反応や感染症に注意すれば、多くの方は健康な人とほぼ変わらない生活を送ることができます。中には、手術後再びオリンピックに出場した選手もいます。
- Q.ドナーが現れた場合、どのようにしてレシピエントが選ばれるのですか?
-
血液型やHLAなどの適合度や緊急性など、各臓器ごとに設けられている医学的適合条件によって、(社)日本臓器移植ネットワークに登録されている患者さんの中から最も適した方がコンピューターで選ばれます。
- Q.「HLA」とは何ですか?
-
HLAはヒトの白血球のタイプを表すもので、一人ひとり違います。臓器移植(腎臓・膵臓移植の場合)では拒絶反応などを最小限に抑えるために、ドナーとレシピエントのHLAの型を合わせることが重要となります。
- Q.臓器提供側にお金はかかるの?
- 臓器提供側に費用の負担は一切ありません。また、臓器の搬送費などは移植を受ける側が負担しますが、療養費申請により払い戻しを受けることが可能です。
- Q.臓器を提供したら報酬はもらえるの?
-
臓器を提供した場合、厚生労働大臣から感謝状が贈られます。ただし、臓器提供はあくまでも善意による行為であるため、報酬や葬儀代の補助など金銭面での援助は一切ありません。
- Q.臓器提供を受けた場合、提供者にお礼やお返しをすることはできますか?
-
プライバシー保護のため、個人を特定する情報は一切公開していません。そのため実際に臓器移植を受けた方にも提供者の情報は知らされません。また提供者側についても同様ですので、当事者同士が直接交流することはできませんが、(社)日本臓器移植ネットワークを通じて移植後の経過報告やサンクスレターなどを匿名でドナー家族にお渡しすることができます。
- Q.臓器提供後のドナーの体はどうなるの?
-
摘出手術による傷は残りますが、通常の手術と同様にきれいに縫合し、清潔なガーゼやテープで覆い、傷が直接目に触れないようにします。眼球提供の場合は、義眼を入れて生前のお顔と変わらないよう配慮します。
- Q.ドナー側が臓器の提供先を選ぶことはできるの?
- 平成22年1月17日より、臓器を提供する意思表示に併せて、親族に対し臓器を優先的に提供する意思を書面により表示できるようになりました。
- Q.どんな人が脳死になるの?
-
脳死の主な原因としては、事故による頭部損傷や、脳出血または脳梗塞といった脳血管障害などがあげられます。したがって、すべての人がある日突然、脳死状態になる可能性があります。
- Q.法に規定された脳死判定が行えないことはありますか?
-
脳死の原因が不明な場合や低体温の場合など、いくつかのケースで法で規定された脳死判定が行えないことがあります。
- Q.脳死判定後に家族の気持ちが変わり、臓器提供したくなくなった場合は?
-
ご家族内で意思の変化が生じた場合、また臓器提供を中止したいと思われた場合には、脳死判定後であっても摘出手術前であれば承諾を撤回することができます。
- Q.脳死を人の死としていない国はどのくらいあるのでしょうか?
-
脳死を人の死としていない国は、パキスタンやルーマニアなど数えるのみです。日本は「脳死後に臓器を提供するときに限り、脳死は人の死」としています。
- Q.海外と日本で行われる移植医療に違いはあるの?
-
移植手術の方法や技術水準などに大きな差はありません。しかし、法律により提供できる条件は、国によって異なります。日本では今まで、脳死後の臓器提供の場合は生前の書面による本人の意思表示と家族の承諾が必要であること、年齢制限(15歳以上)があること、提供施設が限られていたことなどにより、移植件数は非常に少なかったのが現状です。これが、2010年の改正臓器移植法施行により、本人の書面による意思表示や年齢制限がなくなり、世界の標準的なルールに近づいてきました。
- Q.移植医療についてもっと詳しく知りたいのですが、教えてくれる人はいますか?
-
大学医学部や移植学会による公開講座や、(社)日本臓器移植ネットワークでの学生訪問の受け入れなど、さまざまな形で移植医療に関する情報提供が行われています。こうしたイベントの情報については当ネットワークのホームページ(http://www.jotnw.or.jp/asp/event/index.html)でも確認できます。
- Q.どんな人が臓器提供者になるの?
-
臓器提供は個人の善意による無償の行為です。脳死後、心停止後とも、本人の意思表示がなくても家族が承諾すれば臓器提供は可能となります(P.3参照)。また、健康な人から提供される生体移植では、移植学会の倫理指針によって移植を受ける方の親族(6等親内の血族と3等親内の姻族)に限られています。
- Q.なぜ、臓器提供についての意思表示は大切なの?
-
脳死後、心停止後とも、臓器提供については、まず本人の意思が尊重され、さらに家族の承諾が必要となります。本人の意思が不明な場合は、家族が臓器提供をするかしないか決断することになります。自分の死後のことを自らの意思で決めるために、また家族が本人の意思を尊重しながら決断することができるように、生前からその意思を示しておくことが大切です。
- Q.意思表示は誰にでもできますか?
- 臓器を提供する意思表示は15歳以上の方であればどなたでもできます。提供しないという意思表示は年齢にかかわらず有効です。
- Q.意思表示に費用はかかるの?
- 意思表示には費用は一切かかりません。必要なのは、意思表示カード・シール、被保険者証、運転免許証などの意思表示欄への記入や、インターネットによる登録のみです。
- Q.意思を表示する際に、検査や届け出は必要ですか?
-
意思を表示するときに必要となるのは本人の意思だけで、検査や届け出は必要ありません。
- Q.歳をとっても臓器提供はできますか?
-
提供者の年齢は、各臓器によっておおよその上限が設定されています。ただし、個人差があるため、規定の年齢を越えていても医学的判断により提供可能な場合もあります。腎臓はこれまで0~70代の方から提供されています。
- Q.一度意思表示(登録)した後、その内容を変えたり、意思を取り下げたりすることはできるの?
- 意思表示カードを新しいカードに書き換えることで内容を変更できます。また、インターネットによる意思登録では、本登録完了後いつでも(社)日本臓器移植ネットワークのホームページ(http://www2.jotnw.or.jp/login/index.php)から内容の閲覧・変更・削除が行えます。
- Q.登録するとき、家族に知らせたほうがいいの?
- 臓器提供には、ご家族の承諾が必要となりますので、日頃から臓器提供に対する自分の意思をご家族にしっかり伝えておきましょう。
- Q.登録するとき家族から反対されたけど、それでも意思表示カードを持ったり、意思登録をしてもいいの?
-
意思表示は、原則として各個人の自由意思によるものですので、登録は可能です。ただし、万が一の際にその意思を尊重するために、ご家族の承諾が不可欠です。ご家族にも理解していただけるよう、十分に話し合ってみましょう。
※日本臓器移植ネットワーク「日本の移植事情」より